ビットコインに感じる偽善

「ビットコインはまだ日本では3%ぐらいの人しか取引をしていなくて、これから一般人も取引を初めるからもっと上がる」という意見をよく聞きますが、取引は買いだけでなく売りも存在します。従って『一般人が取引を初めて相場が上がる』ためには、『国民の多くが、ある金融資産を買い、その量は売りより多い』という条件をみたすようになります。

ビットコインはまだ利用価値に乏しいわけで、利用価値に乏しい金融資産を一般人含めた多くの国民が買い漁ってる状況は、僕にはバブルにしか見えません。

FXや株の場合、国家の経済状況や会社の経営状況などに依存して価格は決まるりますが、それでも人が感情的になって高騰・急落することがしばしばあります。ビットコインはそういう実体経済上の価値とのひも付きもありません。多くの人は、他人から「これは技術的にすごい」「値段があがっている」「世界を変える」などの曖昧な情報を楽観的に信じて買い続けています。

こういう側面からも、ビットコインはバブルだと思うし、「バブルだけど自分だけ逃げ切れればいい」としてしまうのは、業界人として倫理的にどうかと思うので、僕は買う気になれないのです。

僕の意見は超少数派です。みんな目先の利益に弱いんだと思います。儲からないから僕みたいかバカな考えはやめたほうがいいです。

XRPに対するRipple社の真意

XRPが2017年5月になって急に数十倍に急騰しました。億万長者が何十人か生まれましたね。XRPの時価総額もBitcoinに次ぐ2番手となり、目が離せない人も多いでしょう。では、リップル社及びXRPとはなんであり、この二つにはどういう関係があるのでしょうか。

リップル社とXRPの関係については、こちらのブログがとても詳しいです。

ただ、僕はこちらの指摘は100%正しいとも思ってないです。「リップルが恣意的にコントロール可能」というのは事実ですが、それが「XRPは投資価値がない」ということに必ずしも結びつかないからです。他の人が別の場所で意見していた覚えがありますが、例えばJPYとUSDをXRPを介して交換する場合、

1. JPYを売りXRPを買う
2. XRPを相手方に送る
3. XRPを売りUSDを買う

という流れで、1〜2の段階でXRPを一時的にユーザは保有しなければならないからです。つまり、このタイミングで実需が生じているということであり、将来XRPでの送金がデファクトスタンダードになり膨大な額が交換された場合(為替市場の取引高は1日で200兆円とも言われています)、莫大なXRPの実需が生じる可能性があるからです(一瞬で200兆円注文されるわけではないので、正確な評価は難しいですが)。

もっとも、「リップル社がコントロール可能」というのは事実なので(どのぐらいまでそれが可能かは計算がとても難しいですが)、Volatilityが非常に大きくてハイリスクハイリターンな通貨であることは間違いないと思います。

ところで、WikipediaのRippleの項目には以下のように書かれています。
>[英語ウィキペディア]designed to eliminate bitcoin’s reliance on centralized exchanges, use less electricity than bitcoin, and perform transactions much more quickly than bitcoin

これは非常に政治的な記述です。僕個人の意見は以下です。

bitcoin: 技術自体はdecentralize, しかし実際の取引においては取引所に頼らないと安定した取引はできないので、取引権の偏りという点ではcentralizeと評価もできる。

ripple: XRPはcentalize, しかしリップル社が60%程度現在も保有しており、同社はそれを任意のタイミングで売れるので、供給・価格コントロール権の偏りという意味ではcentralizeと評価できる。これは、bitcoinの取引権の偏りよりずっと大きな偏りである。そして、XRPはゲートウェイという交換ようの板をサードパーティが立てられ、これも取引所のようなものなので、取引権の偏りという点でもcentralizeである。さらに、承認プロトコルも、Proof of WorkでもProof of Stakeでもなく、リップル社が任意に選んだvalidator というサーバの投票で決まるので、取引承認権という点でもcentralizeである。

要は、Wikipediaの記述は非常にリップル社よりの政治的なもので、XRPの方が実際はずっとcentralizeです。リップル社もこれには気づいていて触れないようにしています。

a. リップル社のプロダクトは銀行間でのグローバルかつボーダレスな両替を実現するものであり、彼らのビジネスでの収益限は銀行に対するシステムのコンサルティングや設計・実装である
b. リップル社はリップルの供給(特に増やす方向)をコントロールすることができる

という二つの事実から、リップル社はXRPに対してこう考えているのでしょう。「もしXRPが上がったら、自分たちの保有しているXRPを売却して収益をあげれば良い。暴落した場合でも、もともとほぼコスト0でXRPを保有できているのだから、特に損はしない」。つまり、a と b の収益モデルは、相互にそれほど関係していないわけです。最初のブログでも述べられている通り、XRPとリップル社株式の相関性は(2017年5月時点の市場参加者に想像されているほどには)ないのでしょう。